相手に伝える努力
プロポーズの瞬間を目の当たりにした。
それは、たまたま見ていた映像の中で、ある国の王子が
王女様に結婚の告白をするというものだった。
シャイな王子様が王女様に伝えた言葉は、
「俺と結婚してくれ」。
ただそれだけだった。
そんなひねりもくそもない、
まっすぐな言葉にひどく感動した。
やっぱりちゃんと相手に伝えるのって、
とても大事で、とても勇気のいることだなと思った。
それは告白の言葉でも、普段の何気ない言葉でも、
いっしょだ。
相手を思いやり、自分の思いをきちんと相手に伝えることをしないと、言葉はただの雑音に成り下がってしまう。
間違ったり、相手を傷つけてしまったときでも、
「ごめんね」と伝えることができる。
伝える努力を止めた瞬間から、言葉の価値は無くなる。
「話す」という行為は、「雑音」へと変わる。
「雑音」は不愉快、「話す」のは愉快。ただそれだけ。
だから僕は、「雑音」じゃなく「話す」ことを努力する。
相手のことをもっと知りたいし、
相手にもっと自分のことを知ってもらいたいから。
だから僕は、「雑音」を聞く努力はしないし、
「話す」人の言葉を聞く努力をやり続ける。